現在、世界的な新型コロナ感染症(COVID-19)の流行に伴い、自粛や規制など、私たちの生活にも大きな影響を及ぼしていると思います。
コロナ感染症が急拡大している地域では、「不安」や「憂うつ」に関連したメンタル不調を訴える方が増えているだけではなく、感染の急速な拡大が落ち着きつつある傾向にあるとされる地域であっても、新たにメンタルの不調を多くの方が訴えて始めているといわれております。
コロナ感染に伴って日本経済への打撃も大きくまだまだ未知数なために、私たちの暮らしは今後どのように変化していくのかと情緒不安定になる方も多いのではないでしょうか。
情緒不安定とは、心や感情が安定しない状態を指す言葉です。多かれ少なかれ誰もが体験するものではありますが、精神疾患・身体疾患などの一症状としてあらわれることもあります。
一般的な情緒不安定の状態と疾患との差はどこにあるのでしょうか。ここでは情緒不安定になる原因をはじめ、その対処法などを詳しく解説します。
情緒不安定とは、心が安定せずに感情の起伏が激しくなっている様子を意味します。
落ち込んだり悲しい気持ちになったりする一方、イライラする、攻撃的になるといったこともあり、このアップダウンの激しさが情緒不安定な状態といえます。
わけもなく突然涙が出る、悲しい気持ちになるといった状態も情緒不安定な状態と考えられます。
そもそも「悲しみ」という感情や「涙を流す」という働きは、自分を守ることが必要な状況であることのサインと捉えることができます。これは「痛み」という感覚が肉体への過剰なダメージを避けるための防衛機能であるのと同じ意味を持っています。
このように涙が出るというのは人間にとって自然な働きですが、悲しい出来事など直接的な理由や原因がなく涙が出るのは、日常のどこかで大きなストレスや精神的な負担を抱えていることが原因と考えられます。
たとえ自覚がなくとも、体は精神的なダメージを少しでも回避するために「涙を流す」という形で表現をしているとも言えます。
突然理由もなく涙が出るから疾患であると、断言し切ることはできません。しかしその状態が数週間など長期に渡る場合には医師に相談すると良いでしょう。
情緒不安定な状態を引き起こす要因には、身体的なものと精神的なものの2つがあります。
身体的な問題・要因による情緒不安定には以下のようなものが考えられます
甲状腺機能亢進症(バセドウ病)低血糖症の内分泌疾患をはじめとする身体疾患の症状として、不安や緊張、情緒不安定など精神的な影響があらわれることがあります。
睡眠不足で情緒が不安定になることが広く知られています。眠れない状態が続くようであれば、寝酒などで無理に自己解決せず医師に相談すると良いでしょう。
女性ホルモンなどの分泌量の変動が身体的な不調や情緒不安定などの精神的な影響を及ぼすと考えられています。
特にカフェインは多く摂りすぎてしまうと不安や緊張などを引き起こすことが知られています。
精神的な要因としては次のようなものが代表例として挙げられます。
うつ病、不安障害、双極性障害、統合失調症、パーソナリティ障害、自律神経失調症など、精神疾患のなかには症状として情緒不安定があらわれるものがさまざまあります。
ストレスに直面したときの反応として、イライラ、不安、落ち込みなどの情緒不安定な状態になることがあります。
落ち込む、落ち着かないといったかたちだけでなく、イライラする、攻撃的・暴力的になるなどの感情や行動も、不安が根底にあることがあります。
また精神疾患の一症状として情緒が不安定になることもあります。しかし情緒不安定だからといって必ずしも、すぐに精神疾患に結びつくというわけではありません。
もちろん情緒不安定な状態が長期間続くようであれば何らかの疾患の可能性も捨てきれないため、医師に相談しましょう。
女性の場合、排卵や月経に伴って身体的・精神的な不調をきたすことがあります。はっきりとした原因は分かっていませんが、排卵や月経に伴う女性ホルモンや脳内伝達物質(セロトニン)のバランスの変化によるものと考えられています。
身体的な症状としては腹痛、頭痛、腰痛、むくみ、お腹や乳房の張りなど、精神的な症状としてはイライラ、抑うつ、不安や情緒不安定などがあります。
これらが月経前の3〜10日間という期間で繰り返し現れる場合、月経前症候群(PMS)と診断される場合があります。個人差はありますが、PMSは生理前にもっとも症状が強くあらわれ、生理開始から終了までの間に症状が徐々になくなっていきます。
また特に精神的な症状が強く現れる場合には月経前不快気分障害(PMDD)の可能性もあります。
これらに対してはホルモン治療や服薬治療など、症状を緩和するためのさまざまな治療があります。症状がつらい、生活に支障をきたしているなどの場合は婦人科に相談すると良いでしょう。
生理などの有無を除けば、基本的に情緒不安定の原因に男女差はあまりありません。
原因は前述のように、仕事をはじめとした日常生活でのストレス反応、潜在的に抱えている不安の表出など精神的な負担のサインや、睡眠不足や血糖値といった肉体的なものなどです。
しっかり睡眠をとることで状態が改善すれば問題ありませんが、どれだけ寝ても情緒不安定な状態が改善しない、何にも興味や関心がわかないなどが続くようであれば、無理をせずに医師に相談することをおすすめします。
ストレスなどの精神的要因は情緒不安定になる大きな原因となったり、さまざまな疾患の一症状として情緒不安定になったりすることはありますが、情緒不安定という状態自体は誰しも経験するものです。
情緒不安定であるというだけで、疾患であると断定することは困難です。
数週間、数ヶ月にわたって同じ状態が続く場合、社会生活や人間関係に大きな支障をきたしている場合には、我慢せず内科(内分泌内科など)・婦人科・精神科・心療内科などに相談すると良いでしょう。
医療機関を受診して何らかの疾患だと診断された場合には、情緒不安定な状態を引き起こす原因に応じた治療が行われます。たとえばホルモンが原因の場合はホルモン剤の投与、精神疾患が原因の場合は抗うつ剤の処方など、根本的な原因によって治療内容はさまざまです。
ここでは特に精神疾患に的を絞り、症状として情緒不安定があらわれる具体的な疾患とその診断や治療などを解説します。
一日中気分が落ち込む、何に対しても興味関心や喜びを感じられない、眠れない、食欲がない、眠っても疲れがとれないなどの状態が2週間以上続く場合、うつ病の可能性が考えられます。
一般には抗うつ薬による治療が行われますが、本人がもともとストレスを感じやすいなど性格的な要素が関連している場合には、カウンセリングや認知行動療法などの治療が行われることもあります。
気分の落ち込み(うつ状態)と、それと正反対の気分の高揚(躁状態)が繰り返しあらわれる疾患です。双極性障害は躁状態の程度で2つに分類され、激しい躁状態が起こるものは「双極I型障害」と分類されます。一方で比較的躁状態が穏やかな(「軽躁」)は「双極II型障害」と分類されます。治療には大きく薬物療法と心理療法があります。
不安障害は不安を主な症状とする疾患のグループの総称です。 不安にはっきりした理由がない、または理由があってもそれと不釣り合いなほど強く、日常生活に支障をきたすほどの場合は不安障害の可能性が考えられます。
不安障害の治療は薬物療法と精神療法、カウンセリングなどによって行われます。
医学的に正式な疾患名ではありませんが、身体的・精神的な不調がストレスなどによる自律神経のバランスが乱れることによってさまざまな症状が出ると言われている状態です。具体的な症状としては、頭痛、動悸、下痢や便秘などの身体的な症状、情緒不安定、イライラや不安などの精神的な症状があらわれることがあります。
治療としては、症状に応じた薬の服用による対症療法、生活のリズムを整えるなどの行動療法、ストレスをコントロールする方法を学ぶカウンセリングなどが行われます。
情緒不安定で感情が激しく揺れ動いているときは、お腹に手を当てて深呼吸をし、膨らんでへこむお腹の動きに意識を集中することで気持ちを落ち着けることができる場合があります。
また「今、自分は情緒不安定になっている」と客観的に状況を捉えることも有効です。この一歩引いた客観的な視点が冷静になる助けにもなります。
これまでの生活を振り返り、自分がどんな状況で情緒不安定になるかを把握することも対処をする上で役に立ちます。これは、例えば次のように状況からある程度原因を特定することができるからです。
生理前:ホルモンの影響
空腹時:血糖値の影響
特定の状況ではない:ストレスや疲労、不眠・バセドウ病などの内臓疾患精神疾患
特定のシチュエーションで起こる:不安障害など季節(特に冬)
季節性情動障害(いわゆる冬季うつ病など)
情緒不安定になる状況からある程度の原因を割り出し、それに応じた対応をすることも可能です。ただし自分の手に余る場合は決して一人で無理をせず、医師をはじめとした専門家の力を借りてください。
誰しも感情が不安定なときは他人の言葉をそのままの意味で受け取れず、ネガティブに解釈してしまいがちなものです。
また背景に大きな不安を抱えている場合には、「気にしないほうがいいよ」「心配しないほうがいいよ」といったアドバイスはかえって相手が感じている不安を大きくしたり、「不安を感じている自分」を否定されたように感じてさせてしまうことがあります。
身近な人が情緒不安定なときは、具体的なアドバイスよりも相手の不安定な感情を受け止め、共感を示す態度で接することが大切だと言われています。
それと同時に自分でなんとかしようと考えるのではなく、「自分は支え役、治すのは専門家の仕事」と明確に役割の線引をすることで、共倒れを避けることにもつながります。
情緒不安定は誰しもが経験するような正常な心の揺れ動きです。そのため、情緒不安定だからといって必ずしも、すぐに精神疾患に結びつくというわけではないと言えます。
しかしその落差があまりにも大きい場合や長期にわたる場合、身体的な不調を伴う場合は何らかの疾患の可能性も捨てきれません。
また情緒が安定しないときはマイナスの考えにとらわれ、どうしても視野が狭まってしまうこともあります。
そういったときに医師やカウンセラーなど、専門家による客観的な視点からの支援は非常に重要です。つらい状態のときはそれを我慢したり放置したりせず、専門家の力を借りてみてください。
百合丘整骨院では、患者様の体調に合わせて、施術を行っております。
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